この2014年の2月は、東京都知事選挙が終わるのを待っていたかのように太陽光発電事業について、ショッキングなニュースが続きました。その一つが、スマートソーラーインターナショナルと言う、太陽光発電のシステムの開発に力を注いでいたベンチャー企業の倒産です。
ベンチャーとは言っても、その企業を引っ張っていた経営者の富田孝司氏は、ソーラーパネルの草分けとも言える大手家電メーカー「シャープ」出身のミスターソーラーと呼ばれた人物で、将来を有望視されていた事業体でした。
確かに、この1月に富田氏が亡くなられてから先行きの見通しが立たなくなった。と言うのは解る気がしますが、これほどまでに経営が圧迫されていたのは、2月10日のニュースの4日後に資源エネルギー庁から発表された、太陽光発電事業者への認可後の設備未導入による発電開始の遅れも影響していると感じました。
スマートソーラーインターナショナルが開発を進めていた「集光型モジュールのシステム」は、接地面積の少ない小規模事業者向けのシステムでしたから、その対象事業者が積極的に事業設備を導入していない実態では、事業が立ち行かなくなるのも当然でしょう。
恐らく認可を受けた事業体の数から、平成24年以降、一定の販売量を見込んでいたのでしょうが飛んだ見当違いだったということでしょうか?
また、幾つか考えられる要因を挙げてみます。
まずは、高額とされていた太陽光パネルの価格が下がったこと。
次に、設置についても「ローン0円住宅」などのキャッチコピーで、事業用太陽光発電の固定買い取り制度をフル活用した新築住宅の販売業者が、住宅屋根や車庫の屋根と一体化した高効率のパネルと美しい住宅を兼ね備えた住宅販売を大幅展開し始めた。
更に、集光型モジュールの優位性が市場で下がってしまった。
これらのことが、原因ではないかとも考えられます。
太陽光発電の草分けとした人や企業が失われていくのは、大変残念なことですが、現在の「再生可能エネルギー」の推進が減速しないことを祈りつつ、今後も新しく有効な発電システムが生まれてくることを期待しています。
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